元気がない・食欲がないとき、まず知っておきたいこと
「今日はなんだか元気がない」「ごはんを残してしまう」といった様子は、犬や猫の体調の変化として特によく見られるものです。原因は、暑さや環境の変化による一時的なものから、消化器の不調や痛みを伴う病気など医学的な対応が必要なものまで幅広くあります。様子を見てよい場合と、受診を考えたい場合の目安をご紹介します。
受診の目安
まったく食事を口にしない状態が半日以上続くときや、水もほとんど飲まない、嘔吐・下痢や痛がる様子を伴うときは、受診を考えたいタイミングです。
この記事でわかること
- 元気や食欲が落ちるときに考えられる背景
- 様子を見てよいとき・早めに受診したいときの違い
- おうちでのケアと、記録しておきたいこと
元気・食欲は体調のものさし
元気や食欲は、犬や猫の「いつもどおり」を測る分かりやすい指標のひとつです。
特に猫は体調の変化を態度に出しにくい傾向があるといわれています。食欲や活動量のわずかな変化が、体調不良の最初のサインになることも少なくありません。
考えられる原因は?
元気や食欲が落ちる背景には、次のようなものがあります。
- 暑さや環境の変化
- ワクチン接種後の一時的な反応
- 口の中の痛み
- 消化器のトラブル
一時的なものか、様子を見すぎてはいけないものかを見分けるには、食欲や元気の程度だけでなく、水分の摂り方や排泄の様子など、体全体の変化をあわせて確認することが目安になります。
様子を見てよいのは?
次のような場合は、少し様子を見ても大きな心配はないことが多いです。
- 食欲は落ちているが、好きなものなら口にする
- 水は普段どおり飲んでいる
- 暑い日や環境の変化の後の一時的な様子で、半日〜1日程度で普段の元気に戻る
- ワクチン接種や通院の翌日など、心当たりのある一時的な反応と考えられる
- 嘔吐・下痢・呼吸の変化など、ほかの症状を伴わない
早めに受診したいときは?
次のような様子は、様子を見すぎずに受診を考えたいサインです。とくにまったく食事を口にしない状態が半日以上続いているときは、早めの受診が目安になります。
- まったく食事を口にしない状態が半日以上続いている
- 水もほとんど飲まず、脱水が疑われる
- 元気のなさに加えて、嘔吐・下痢・呼吸が荒いなどの症状がある
- 横になったまま動きたがらない、触ると嫌がる・鳴くなど、痛みが疑われる
- 体重が減ってきた、以前と比べて明らかにやせてきた
- 持病のある子や、高齢の子・子犬・子猫で、体力の消耗が心配
特に猫が丸1日以上まったく食事を口にしていない場合や、ぐったりして名前を呼んでも反応が鈍いといった様子がある場合は、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。猫は食べられない状態が続くと、体への負担が大きくなりやすいといわれています。
おうちでのケアと記録
無理に食べさせようとしたり、水を大量に飲ませようとしたりすると、かえって吐き戻してしまうことがあります。あまり無理強いはせず、少量を数回に分けて様子を見てあげてください。
受診の際は、次のような情報があると診察の参考になります。
- いつから、どのように様子が変わったかをメモしておく
- 食事・水をどれくらい摂れているか(量・回数)を記録する
- 排尿・排便の様子(回数・状態)に変化がないか確認する
- 思い当たる変化(フード・環境・お薬など)があれば書き出しておく
元気や食欲の変化は、原因を特定するまでに複数の可能性を考える必要がある症状のひとつです。「様子を見ているうちに」と時間が経ってしまうと、体力の消耗が進んでしまうこともあるとされています。迷ったときは、早めに受診を考えたいタイミングです。
まとめ
まったく食事を口にしない状態が半日以上続く、水をほとんど飲まない、嘔吐・下痢や呼吸の変化、痛がる様子があるといった場合は、受診を考える目安です。持病のある子や高齢の子、子犬・子猫で体力の消耗が心配なときや、「病院に行くほどか分からない」と迷うときも同じです。受診の際は、いつから・どのように変わったか、食事や水の量、排泄の様子のメモが、診察の手がかりになります。猫が丸1日以上まったく食事を口にしていない、ぐったりして呼びかけへの反応が鈍いときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。
獣医師 宍戸優太