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犬・猫の混合ワクチンは何を防げる?接種間隔と接種後の注意

混合ワクチンとは

混合ワクチンは、命に関わることもあるいくつかの感染症をまとめて予防することを目的としたワクチンで、多くの動物病院で基本的な予防のひとつとして案内されています。対象となる病気は犬と猫で異なり、子犬・子猫の時期は複数回に分けて接種し、その後は追加接種で免疫を維持していくのが一般的な考え方です。対象となる代表的な病気、接種のタイミング、接種後に見られることがある様子について、基本をご紹介します。

この記事でわかること

  • 混合ワクチンで予防する代表的な病気(犬・猫)
  • 子犬・子猫の時期の接種と、成犬・成猫の追加接種の考え方
  • 接種後に見られることがある様子と、当日の過ごし方
室内でくつろぐトイプードルの子犬

混合ワクチンで防げる病気は?

混合ワクチン(コアワクチンと呼ばれることもあります)は、感染力が強く、重症化すると命に関わることもあるとされる病気を、まとめて予防することを目的としています。対象となる病気は犬と猫で異なります。

犬の場合、代表的な「8種混合ワクチン」でカバーされる病気は次のとおりです。

  • 犬ジステンパー
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 犬パラインフルエンザ
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬コロナウイルス感染症
  • 犬レプトスピラ感染症(カニコーラ型)
  • 犬レプトスピラ感染症(イクテロヘモラジー型)

猫の場合、代表的な「3種混合ワクチン」でカバーされる病気は次のとおりです。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症

子犬・子猫はなぜ複数回接種?

子犬・子猫は、生まれてすぐの時期、母親から受け継いだ移行抗体によって、ある程度感染症から守られています。この移行抗体は成長とともに徐々に減っていき、なくなる時期には個体差があります。

移行抗体が残っている間にワクチンを接種しても、十分な効果が得られないことがあります。一方で、いつ移行抗体が消失するかをあらかじめ正確に予測することは難しいため、子犬・子猫の時期には複数回に分けて接種することで、抗体が切れる時期をなるべくカバーする方法がとられています。

接種のスケジュールは、その子の月齢や健康状態に応じて、獣医師と相談しながら決めていきます。

成犬・成猫の追加接種

子犬・子猫の時期の基礎的な接種が終わったあとも、免疫を維持するために追加接種(ブースター接種)が必要とされています。一般的には年に1回程度が目安とされることが多いですが、その子の生活環境(外に出る機会、ほかのペットとの接触の有無など)によって、適した間隔は変わることがあります。間隔は、生活環境をふまえて獣医師と相談しながら決めていくものです。

なお、混合ワクチンは、法律で義務付けられている狂犬病ワクチン(犬)とは別の予防接種です。狂犬病ワクチンは仕組みや接種時期の考え方が異なるため、この記事では詳しく触れません。

接種後に見られることがある様子

ワクチン接種のあとは、数日程度、元気がない様子や食欲が落ちる様子がみられることがあります。多くの場合は一時的なもので、自然に回復していくとされています。気になる様子があるときは、受診を考えたいタイミングです。

まれに、接種後まもなくアレルギー反応が起こることがあります。顔や口のまわりが腫れる、じんましんが出る、ぐったりする、繰り返し嘔吐するといった様子がみられる場合は、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。

予防接種を受けた当日は、激しい運動やシャンプーを控え、なるべく安静に過ごすと安心です。ワクチンの種類や接種の間隔は、その子の体質や生活環境によっても異なるため、疑問点は接種のタイミングで獣医師にたずねておくとよいでしょう。

まとめ

混合ワクチンは、命に関わることもある感染症をまとめて予防するためのワクチンで、対象となる病気は犬と猫で異なります。子犬・子猫の時期は移行抗体がなくなる時期に個体差があるため複数回に分けて接種し、その後は追加接種で免疫を維持していきます。接種の当日は激しい運動やシャンプーを控えて安静に過ごし、数日は元気や食欲の様子を見ておくと安心です。接種後まもなく顔や口のまわりが腫れる、ぐったりするといった様子がみられるときは、様子を見ずに、受診できる動物病院へすぐ連絡してください。

獣医師 宍戸優太